日本マイクロソフト株式会社は6月3日、Microsoft Innovation Award 2013(マイクロソフト イノベーション アワード)最終選考会を開催した。
このアワードは、マイクロソフトのテクノロジを使ってイノベーションをもたらすITベンチャー企業などを表彰するもので、5回目となる今回は70の企業・団体が参加。独創性とビジネスにおける実用性から審査された結果、コンシューマ部門、ビジネス部門から計6者が優秀賞を受賞し、それぞれMicrosoft Innovation Award 2013最優秀賞のファイナリストとしてノミネートされた。
最初に、コンシューマ部門から株式会社しくみデザインの映像と音が融合するパフォーマンスツールが紹介された。
写真:映像と音が融合するパフォーマンスツール
同ツールはパフォーマーの動きを検出し、手の動きに合わせて楽器などの音を鳴らしたり、音に合わせてリアルタイムで映像にエフェクトをかけることが可能。ライブ会場などで映像と音を気持ちよく表現するため、映像と音声の入力から解析、生成、出力まで一つの簡単なスクリプトで実現しているという。
次に、ビジネス部門からアシアル株式会社のモバイルアプリ開発プラットフォーム「Monaca」が紹介された。
写真:モバイルアプリ開発プラットフォーム「Monaca」
Monacaでは、HTML5とJavaScriptを用いて各種OSに対応したWebアプリ開発の他、PhoneGap互換のAPIによりネイティブアプリの実装も可能。また、開発環境をクラウドベースにすることで、iOS用アプリの開発をMac以外で行うといったデバイスに依存しないアプリ開発を実現している。
同じくビジネス部門から株式会社Sassorの「Energy Literacy Platform」を用いた店舗における消費電力可視化の事例を紹介。
写真:センサを用いた店舗の消費電力可視化の事例
HEMS/MEMSなどのEMS(エネルギー管理システム)として、分電盤に取り付けたセンサを用いて店舗の電気料金を厨房の機器ごとにリアルタイム管理し、機器ごとの使用時間といったオペレーションの比較、改善によるコスト削減ができるという。
続いて、コンシューマ部門から株式会社JX通信社の自動収集ニュースエンジン「Vingow」が紹介された。
Vingowは10万ジャンルをカバーするニッチに強い情報検索が特徴で、気になるタグをフォローすることでニーズに合った記事を表示させる他、iPhone向けアプリ版Vingowでは新たに日本語ニュースの自動要約機能を搭載している。
引き続きコンシューマ部門から、CeVIOプロジェクトの音声合成ソフトウェア「CeVIO Creative Studio FREE」が紹介された。
写真:CeVIO Creative Studio FREE
従来のText to Speech機能とは異なり、HMM音声合成をベースに音声の特徴をモデル化した声帯シミュレーターを採用。大量の音声サンプルデータを用いることなく省メモリ・小容量の実装が可能となった。怒りや笑いといった感情表現の豊かさに加えて、アニメ風のキャラクターを用いることでわかりやすさと面白さもアップしている。
最後にビジネス部門として、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 先端工学外科学分野から「Kinect を活用した医用画像ビューアシステム」を紹介。
写真:Kinect を活用した医用画像ビューアシステム
手術室において非接触で医用画像の選択、閲覧を行うことを目的に、同システムではマイクロソフトの体感型ゲームシステム「Kinect」を使って専用のPC画面を操作できる。動作認識用の操作マーカーを貼り付ける必要がなく、クリーンかつ、安価で小型、高精度な動作キャプションを実現した。
以上6者について、日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 最高技術責任者の加治佐俊一氏らによる最終選考が行われた。
その結果、Microsoft Innovation Award 2013最優秀賞として、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 先端工学外科学分野の「Kinect を活用した医用画像ビューアシステム」が選ばれた。
写真:最優秀賞の東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 先端工学外科学分野
※ダウンロードボタンをクリックするとの最優秀賞のOpect紹介ページ(株式会社ニチイ学館)へ移動します
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